小さな恋【完結】
……一番の問題は、大知の転入先だった。


唯ちゃんは実家の近くにある小学校に通う手続きをするだけ。


でも、大知は高校生。たくさんの手続きを踏んで、転入試験に臨んだ。



その転入試験を受けるかどうかお父さんと揉めて学校を5日休んだと聞いた時、胸が張り裂けてしまいそうだった。


繭ちゃんを大知に紹介した後、大知は学校を5日間休んだ。


まさかそんな大きな問題を抱えているなんて知らなくて。


あたしは大知をひどく傷付けた。



あの時、大知が言った言葉。


「お前が幸せなら俺はそれで十分だから」


大知は、どんな気持ちでそう言ったんだろう。


そう考えると苦しくて堪らない。
< 329 / 460 >

この作品をシェア

pagetop