小さな恋【完結】

「全ては僕のせいだから……。もし大知が嫌だと言うなら、無理に連れて行こうとは思っていないんだ。でも、もう時期も時期だろう?そろそろ決断をしないといけないからね」


「そう……ですよね」


小さく相槌を打って、混乱する頭の中を整理する。


家計を助けるために、バイトをしている大知。


お父さんの実家のご両親は大知と唯ちゃんがやってくることをとても歓迎してくれているらしい。


孫の援助をしたいと申し出てくれているとお父さんが言っていた。



引っ越せば、大知が大好きだったサッカーをまたできようになるかもしれない。


「サッカーやってる場合じゃなくなっただけ」


そう言って目を伏せた大知。


「将来はサッカー選手になる」


2年前、そんな話をしてくれた大知。


あたし、大知が何よりもサッカーが大切なの……知ってるよ。


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