小さな恋【完結】
「真依子ちゃんには本当になんて言ったらいいか……」


「いえ、……あの、ご馳走様でした。今日は用があるので、もう帰ります」


スッと椅子から立ち上がってお父さんに頭を下げる。


「あ、シュークリームたくさん買ってきたからよかったらおうちの方に……――」


「すみません!!急いでるので……――!!」


あと少しだよ、真依子。


あと少しだけ堪えないと。


ここで泣いたら、さっきの言葉が嘘になっちゃうじゃない。


だから泣いちゃダメ。


絶対に、泣いちゃダメ。

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