小さな恋【完結】
「俺、行くから」


真っ直ぐ前を向いた大知。声には決意がこもっていて。


「……うん。それがいいよ」


もう後戻りはできない。


そう悟った途端に、体中がガクガクと震え出した。


あたし、どうしてこんな弱いんだろ……。



「どうした?やっぱり寒いか?」


「うん。ちょっとね」


冷たい北風にスカートがフワフワと揺れる。
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