小さな恋【完結】
あたしは両手で震える体を抱きしめた。
震えてるのは、きっと寒いからじゃない。
恐いんだ……。大知が離れていってしまうのがとてもつもなく恐い。
あたしの肩を掴む大きな温かい手。
その熱を、あたしはあと少ししたら手放すんだ。
「ねぇ、大知。あたし達……大丈夫だよね?」
「あぁ。大丈夫。少しの間、離れ離れになるかもしれないけど、同じ空の下にいるんだからさ」
二人揃って真っ青な空を見上げる。
大丈夫。同じ空の下にいる。
そんな大知の言葉が温かく胸に染み渡った。