小さな恋【完結】
「ねぇ、本当に大丈夫なの?」


あたしは二人に連れられて、駅ビルの中のファーストフード店にやってきた。


隣に座る高校生カップルが幸せそうに笑い合っている。


あたしはカップルから視線を外した。


このままだと、また泣いてしまいそうだったから。



「大丈夫……じゃないのかも?」


「真依子さぁ、うちらの前で強がんなくてもいいんだよ?」


「里奈の言うとおりだって。最近、顔色も良くないしさ」


「ん。ちょっと、食欲がわかなくてさ……」


最近じゃ、ご飯を少し食べただけで満たされる。


本当は食べたくないけど、無理に押し込んでいる感じ。


もしあたしが倒れたら、大知が心配する。


あたしが今大知にできることは、余計な負担を与えないようにすることだから。
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