小さな恋【完結】
「ねぇ、食欲わかないって……妊娠じゃないよね?」
ストローでコーラを吸い込み、ズズズッという音を立ててグラスを空にした繭。
隣のカップルが繭を見て「チッ」と舌打ちする。
「妊娠もなにも、真依子、大知とまだでしょ?」
「え?……嘘、マジで?」
目を見開いて驚く繭。あたしはコクンっと頷いた。
大知とはキスもした。
求めあうような深いキスだって。
大知のベッドで一緒に寝転んでお互いの体を触りっこしたり。
……だけど、あたしと大知はまだ一線を越えてない。