小さな恋【完結】
「へぇ~……。意外だね?大知って奥手?」
繭がそう聞いた時、りっちゃんがハッとした表情で繭を見た。
「ねぇ、そういえば繭は大知と何にもなかったんでしょうね?」
「何が?キスとかエッチしたかってこと?」
「それ以外になにかある?」
「あたし、大知に振られたんだよ?するわけないよ」
「でも、大知と仲良かったじゃん。休み時間とかよくうちの教室に一緒にいたし?」
「あれは、大知があたしをダシにして真依子のこと見に来てただけだって!」
すると、繭はあたしに視線を向けた。
「あたし、大知には指一本触れられてないから安心して?もちろんあたしも触れてないし。てか、あたし達付き合ってないし当たり前か」
「……繭はあるもん。大知に腕絡ませてた」
あたしが唇を尖らせてそう反論すると、繭はバツが悪そうな顔をした。