小さな恋【完結】
「俺も行くわ」


「……うん。いってらっしゃい」


最後くらい、笑顔で別れなきゃ。


大知はそっとあたしの体に腕を回した。



「一年後、必ずまたあの場所で」


「うん。約束ね……?」


「あぁ、約束だ」


大知はあたしの頭を優しく撫でると、そっとあたしの唇にキスを落とした。


ほんの一瞬のキス。それが、何故かとても長い時間に感じられて。



「あっちに着いたら、また連絡するから!!また後でな!!」


大知はニコッと笑うと、一度も振り返ることなく駅の中に消えていった。
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