小さな恋【完結】

「一度くらい、振り返ってよね……」


そう呟いてみたけど、やっぱり振り返られちゃ困る。


自分の意志とは関係なく、頬に涙が伝っていたから。



≪まもなくホームに11時発XX行きの電車が参ります。白線の内側まで~――……≫


大知の乗る電車がもうすぐやってくる。


苦しくて息が止まりそうになる。


切なくて

悲しくて

寂しくて

不安で。

< 402 / 460 >

この作品をシェア

pagetop