小さな恋【完結】
寂しくなったら、広い空の下で右手でネックレスを握って写真を眺める。


そうすると、何故か気持ちが落ち着く。


今、こうして耐えている間にも……


時計の針は時を刻む。



一年後。


先の見えない約束なんかじゃない。


だから耐えられる。


もう6月……。


折り返し地点をもうすぐ超える。


大丈夫だよ。あと半年……。何としても耐えてみせるから。



そうすれば、半年後、


あたしは大知とまたあの場所で笑い合っているはずだから。



生温かい風が前髪を揺らして、あたしはゆっくりと目を閉じた。
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