小さな恋【完結】
「ていうかさぁ~ティッシュ配りって楽かと思ったら暑いし足疲れるし、しんどくない?」
「そりゃそうでしょ。楽して稼ごうなんて考えた繭がバカなんじゃない?」
「里奈の鬼、悪魔、人でなし!!」
「あ~もう繭ってば暑苦しい!!ちょっと黙ってて!!」
りっちゃんはうんざりした表情で繭をあしらう。
何だかんだ言っても、二人の息はいつもピッタリ。
二人を見てクスクスと笑っていたあたしにをりっちゃんは横目で睨む。
「真依子は真依子でさっきから何笑ってんのよ~」
「だって、なんかりっちゃんと繭見てると面白いんだもん。それにほら、喧嘩するほど仲が良いっていうし。ねっ?」
目の前のオレンジジュースを一気に飲み干すと、ようやく乾いていた喉が潤った。