小さな恋【完結】
―――………
「ありがとうございま~す!!」
ファーストフード店から出て、駅前でティッシュ配りを再開する。
快く受け取ってくれる人。
ティッシュを差し出した手にわざとぶつかっていく人。
「チッ」と露骨に舌打ちする人。
繭の言うとおり、楽な仕事じゃない。
だけど、今はイラっとする気持ちを抑えてがむしゃらにティッシュを配り続ける。
そうでもしないと、昨晩の出来事を思い出して気持ちが暗くなるから。
すると、その時。
「お~!!また会えたね~!!」
髪の毛を金色に染めた肌の真っ黒な男の子があたしの元に駆け寄ってきた。