小さな恋【完結】
彼とは3日前からほぼ毎日この駅で鉢合わせている。
「毎日御苦労さん!!つーか、それどうせ歩合っしょ?ほら、俺が100個くらいもらってやるよ!!貸せって!!」
「いいです!!あたし、ちゃんと配りたいので」
「え?マジ?偉すぎっ!!」
足元に置いてあった段ボールをヒョイっと持ち上げた彼は、苦笑しながら元の位置に戻した。
「ねぇ、いい加減名前教えてよ!!」
「あたし……彼氏がいるので教えられません」
「マジでぇ~?」
彼が声を上げた時、
「マサキ!!いい加減にしなって。真依子、困ってるじゃん!!」
見兼ねた繭があたしと彼の間に入った。