小さな恋【完結】

『大知……?』


大知の声を聞いた途端、鼻の奥がツーンッと痛んで、あたしは慌てて唇を噛む。


だけど、少しだけ遅かった。



『真依子、もしかして……泣いてんのか?』


目から溢れだした涙を必死に拭っていると、大知は心配そうな声でそう聞いた。


『……ん。泣いてる……』


『なんで?何かあったのか?おい、しっかりしろって……――!!』


『だい……ち……ッ。ごめんね……本当にごめんね……?』



大知の優しさに甘えてばかりでごめんね。



『なんで謝ってんだよ!!別に謝られるようなこと……――』


したよ。いっぱいした。

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