小さな恋【完結】
『……あたし、ずっと自分のことしか考えてなかったよ……。本当にごめんね……?』


『俺も……ごめんな。前、すげぇひどいこと言ったよな』


『ちがっ……!!悪いのはあたしだから……――!!』


そんなやりとりが何回か続いた後、大知は優しい声でこう言った。



『なぁ、真依子。今って家にいる?』


『……ん。家だよ』


『ちょっと、ベランダでれねぇかな?』


『ベランダ……?ちょっと待って……?』


窓を開けると、冷たい北風が部屋に吹き込む。


あたしは体を震わせながら、ベランダに出た。
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