小さな恋【完結】
『俺も、真依子に会いたい。今すぐ会いてぇよ……――』
大知の声がかすれていることに気付いて、胸が締め付けられる。
『でも、泣いてる真依子になにもしてやれねぇのが、一番辛い』
『……大知……』
あたしは目に浮かぶ涙が零れないように、夜空を見上げた。
大丈夫……。もう泣かないよ。
今度大知に会う時まで、我慢して見せるから。
『あたし……大知が好き。大好き……』
『俺も真依子が好きだ』
あたし達はこの夜、何度も互いの気持ちを確かめあうように愛の言葉を交わした。
もうすぐ12月。大知に会える日まで、あとわずかに迫っていた。