小さな恋【完結】

『俺も、真依子に会いたい。今すぐ会いてぇよ……――』


大知の声がかすれていることに気付いて、胸が締め付けられる。


『でも、泣いてる真依子になにもしてやれねぇのが、一番辛い』


『……大知……』


あたしは目に浮かぶ涙が零れないように、夜空を見上げた。


大丈夫……。もう泣かないよ。


今度大知に会う時まで、我慢して見せるから。



『あたし……大知が好き。大好き……』


『俺も真依子が好きだ』


あたし達はこの夜、何度も互いの気持ちを確かめあうように愛の言葉を交わした。



もうすぐ12月。大知に会える日まで、あとわずかに迫っていた。

< 444 / 460 >

この作品をシェア

pagetop