小さな恋【完結】
君の痛み
翌日。昨日の出来事を話すと、りっちゃんは深い溜息をついた。
「そっか。何となくそうだと思ってたけどね」
「どういうこと?」
「大知は別れてからもずっと真依子のこと見てたよ。真依子に気持ちがあったから、他の女の子に言い寄られても大知は断り続けたんじゃない?」
りっちゃんの言葉が、胸に重たくのし掛かる。
大知は確かに女の子から人気がある。
別れてから、大知が告白されている現場を何度も目撃した。
サッカー部のエースだった大知。
試合の時は、他校の女子生徒が大知目当てで応援にやってきた。
だけど、大知は他の女の子にいくらアタックされても、ずっと断り続けていたらしい。
確かに、あたしと別れてから、女の子との浮いた噂は聞いたことがない。