小さな恋【完結】
大知が「今はサッカーなんてしてる場合じゃないから」と伏し目がちに言っていたのも。
両親が離婚したということも。
母親が男を作って出て行ったということも。
その記憶を頭の中から消さないといけない。
りっちゃんの言うとおり、同情で優しくしちゃいけないんだ。
もう二度と、大知を傷つけないために。
「ねぇ、今日の放課後4人で遊ばない?」
りっちゃんは冴えないあたしの顔色に気付いたのか、サラッと話題を変えた。