小さな恋【完結】

放課後。


「もうすぐ夏だな~!!」


ケンちゃんはYシャツの袖を捲りあげながら、照りつける太陽を睨みつける。


特に行く場所のなかったあたし達は学校の近くにあるコンビニにやってきた。


駐車場の輪止めに腰掛けて、さっき買ったばかりのペットボトルで喉を潤す。



一哉先輩はコーラを飲みながら右手で携帯をいじっていた。



「なぁ、みんなでどっか行きたくない?」


「どこに行きたいの?」


たまに突拍子のないことを口にするケンちゃん。


そんなケンちゃんにりっちゃんは驚くことなく普段と変わらぬ声のトーンでそう聞き返した。
< 77 / 460 >

この作品をシェア

pagetop