小さな恋【完結】
先輩が行くと言ったことで、りっちゃんとケンちゃんの視線があたしに集まる。
「じゃあ、あたしもいこっかな……?」
遠慮がちにそう答えると、りっちゃんは嬉しそうに笑った。
「やったー!真依子も一緒なんて嬉しいな〜!!超楽しみなんだけど!!」
「何だよ、里奈は俺だけじゃ不満なのか?」
「違うって。なんか新鮮じゃない?4人って」
「まぁ確かに。でも一哉!俺の里奈に手出したら許さないからな!!」
「俺って友達の彼女に手を出すような男に見える?」
携帯を制服のポケットにしまいながら先輩はふんっと鼻で笑った。
「別にそういうんじゃねぇよ!!」
一哉先輩に軽くあしらわれたケンちゃんは唇を尖らせた。
太陽の光が眩しい。夏は近いな。
あたしは空を見上げながらそんなことを考えていた。