小さな恋【完結】
「あたし達って友達だよね?絶対に裏切らないでね?」
ニコリと笑って勝手に話をまとめた繭ちゃんは、あたしの手を握って上下に振る。
あたし……まだ協力するなんて言ってないよ?
ポンポン勝手に話決めないで……。
何だか『友達』という言葉をうまく利用された気がして不快な気持ちになる。
「あたしね、中学の時に友達に好きな人のことで相談したの。そしたらね、その一ヵ月後に友達と好きな人が付き合うことになって。酷いでしょ?裏切り行為だよね?」
拳に力を込めるあたしに気付いていないのか、繭ちゃんは勝手にペラペラと喋り続ける。