小さな恋【完結】
「ねぇねぇ。真依子が大丈夫なら、今日の夜ちょっと遊ばない?」
「うん。いいよ!」
真新しい制服で街に繰り出すのも悪くない。
すると、りっちゃんはニッと意味深な笑みを浮かべた。
「ケンちゃんと一哉先輩も一緒でもいい?」
か…ずや先輩ってもしかして……。
「……え!!えぇ?!一哉先輩?!いい!全然いいよ!!」
「OK~。じゃあ、18時に駅前集合で?」
「……は、はい!了解ですっ!!」
ニヤけるあたしを横目に、ヒラヒラと手を振って自分の席に戻っていくりっちゃん。
その後ろ姿はすごく頼もしい。
う~ん……。これは後で、りっちゃんに何かおごらないと。
「18時かぁ……」
髪は巻いた方がいいかなぁ?
それともストレートのままがいい?
一哉先輩はどっちが好きかな……?
って、あんまり気合を入れていってそれがバレちゃうのもちょっと恥ずかしい。
あたしはそんなどうでもいいことに、しばらく頭を悩ませた。