ネコ専務シリーズ
そんなネコガールが、休日に渋谷を友人
と歩いていたときのこと。

せっかく4月の微風と穏やかな陽の光り
を楽しみながら、目当てのデパートに
向かっていたところに、何だか軽そうな
ペルシャ猫とロシアンブルーの2人組が、
ネコガールたちをナンパしてきた。

ネコガールの黄色い眼が2人をすばやく
観察したが、あまりタチのよさそうな
身なりや顔つきの男たちではない。

バーミーズの友人は少々気が弱いので、
「えと・・あの・・」と困ってネコガー
ルの方を見たが、もっとはっきりした
性格のネコガールは、

「ごめんね。私たち、人と会う約束が
 あって急いでるの。ちょっと通してね」

と適当なことを言って、さっさと男たち
を振り切ってしまった。友人は、

「ああ怖かった。ネコガールはやっぱり
 勇気があるね」

と感心したが、ネコガールは
「そう?普通よ」と気にした様子もない。
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