ネコ専務シリーズ
その後デパートや店々で、帽子や洋服や
アクセサリーなどのショッピングを楽し
んだ2人は、ネズミレストラン「ラット・
ラット」で夕食を取り、ビールやワイン
も少々飲んだ。

さあ帰りましょうとJR渋谷駅から山手線
に乗って、新宿駅で乗り換えるとき、
バイバーイ、またねー、と友人と別れた
ネコガールは、JR中央線で自宅のある
飯田橋に向かう。その電車の中で彼女は

「あーあ。もっといい男が寄ってこない
 ものかなー」

と思っていたが、ネコガールの考える
「いい男」というのは、ネコ専務のよう
な、のんびり悠然としつつも、能力が
高い、しかも若い男のことをいうので
ある。

残念ながらそのような青年はめったに
いないので、ネコガールは実は、これ
ほどの美猫でありながら、これまでろく
に男と付き合ったこともなかったりする。

電車は飯田橋に着いた。ネコガールは
ふー・・とため息をつく。

そして、ネコ専務が叔父とかじゃなくて、
同い年くらいの他人だったらよかったの
にと思いながら、プシューッと開いた
ドアから電車を1人降りていったので
あった。

             おしまい
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