ネコ専務シリーズ
座布団に座った自分の前の、やはり座布団
の上に、オスのトラ猫を座らせたネコ住職
は、トラ猫の目をじーーっ・・と見つめる。

そして突然、

「来た!」

とつぶやいたネコ住職は、そのとき心に
浮かんだ言葉を、名前として彼に授けた。


「君の名前は、今日から「水素爆弾」じゃ。
 みんな、そのつもりでな」

ハイッ、わかりました、と周りに居並んで
いた坊主たちは声を合わせた。


こうして、水素爆弾などという、とても
物騒な名前を頂いたオスのトラ猫は、何と
なくぶ然として西側から、その名をつけた
ネコ住職は、ほっほっほっ、今日もいい
仕事したわいと言わんばかりに晴れやかな
顔をして東側から、それぞれ「ネコ命名室」
を退出していったのであった。

               おしまい
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