ネコ専務シリーズ
「参った!」

田中は両手を弱弱しく上げ、抵抗の意思が
ないことを示した。

「あなたのせいで、表の地球がどれほど
 困ったか、思い知りなさい!」

「待ちたまえ。ひとつだけ聞かせてくれ。
 君はシャム猫なのに、なぜ「ペルちゃん」
 なのだ?
 君は本当はペルシャ猫ではないのか?」

「さすがに東大の学長ね。確かに私の母は
 ペルシャ猫、でも、父はシャム猫。
 だから私はシャム猫戦士を名乗っている
 んです」

「シャム猫とペルシャ猫のハーフ?
 それは普通「ヒマラヤン」というのでは
 ないか?」

と東大の学長の頭脳は指摘する。

えっ、そーなの?と、それは知らなかった
ペルちゃんが一瞬動揺したスキに、田中は
左手の袖口に隠しもっていたナイフをパッ
と掌に握り、ペルちゃんの全身を覆う黄金
の鎧の隙間をめがけて突き刺した!
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