ネコ専務シリーズ
一億年の夢
春眠、暁を覚えない、4月の日曜日。

家でぐっすり眠っていたネコ専務は、
朝10時ごろ、突然パチッと目を覚ま
した。顔には満面の笑みを浮かべて
いる。

ネコ専務はさっきまで、とてもワクワク
する面白い夢を見ていたのだ。

あまりに面白かったので、誰かに夢の
ことを話したくなったネコ専務は、
早速ケータイに手を伸ばした。


「もしもし、ネコガール? 起きてた? 
 ちょっと話したいことがあってね」

電話の相手は、仲良しの姪のネコガール
であった。
ネコガールはそれまで眠っていて、この
電話にたたき起こされたのであるが、
愛想よく応じた。

「どうしたの、おじさん。ずいぶん楽し
 そうな声じゃない?」

「いやあ、すごく面白い夢を見てね、
 誰かにしゃべりたくなったんだよ」

「夢? どんなの?」

ネコガールはちょっと興味を示した。
ネコ専務は、さっき起きた直後に、
忘れないうちに慌てて夢の内容を走り
書きしたメモを見ながら話し出した。
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