ネコ専務シリーズ

ネコ足軽

ネコ足軽の家は、又旅(またたび)の
貧しい村の貧しい農家だった。

しかし村の富農の息子はちょっとした
インテリで、近所の子猫を集めて読み
書きを教えたりしていたので、それで
ネコ足軽は色々な知識を身につけること
ができた。


ネコ足軽は思った。何でこの村はこんな
に貧しいのか?自分は他の村に行った
ことはないが、他も全部同じなんだろう
か?

ネコ足軽はその謎を解くために、一生
懸命勉強し、又旅の主都へ留学できる
ようになったのだった。

主都は繁栄していた。ネコ足軽はしば
らくは大喜びで遊んでいたが、そのうち
この主都にも色々な問題があることが
見えてきた。さらには日本全体のこと
まで気になり始めたので、ネコ足軽は
さらに一生懸命勉強し、今度は日本の
首都である、京の都へ留学することに
なった。


京の都は又旅の主都などとは比べものに
ならないほど繁栄していたが、ネコ足軽
は今度は少しも遊ばず、毎日毎日、自分
の生まれた村を豊かにするにはどうすれ
ばいいかとか、日本全体の状況について
などを研究したのだった。

そして3年後、ネコ足軽は意気揚々と
村に帰った。さあ村の改革だ、そして
又旅全体をも良くしようと理想に燃えて
いたとき、又旅中の若者に徴兵令が発せ
られた。大名が変わったのである。
今の大名の方針は、

「農民に教育などいらない」
「他国を攻めて領土を大きくする」

といったものであり、ネコ足軽は、
これまでの勉強は一切認められずに、
軍隊の下っぱの足軽にさせられたので
あった。


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