ネコ専務シリーズ
もちろん、首相になれるといっても、
実権はまったくない。

しかし、首相の椅子に一日座ることが
でき、記念式典や会食に参加でき、

本物のネコ首相と握手している記念写真
を、超一流のカメラマンに撮ってもらえ、
記念の楯と、「首相認定証」をもらえる
この制度に、

セレブたちはあっという間に殺到し、
予約は3年先までいっぱいになってしま
った。

しかも、これがネコ首相の作戦なのだが、
支払う金額は一億円「以上」となって
いる。

このため、セレブたちは、「誰がどれ
だけ多く払ったか」という競争を始め、
「たくさん払った方が偉い」という風潮
ができた。

がんばって何とか1億円かき集めました、
というような人ならともかく、大金持ち
なのに1億円キッカリしか払わなかった
ような場合、

「なんだ、あいつ案外ケチだな」

と言われかねないので、セレブたちは
みな、2億、3億、5億、10億円と、
本人の体面をかけてより多く支払って、
一日首相になったのであった。


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