ネコ専務シリーズ
何か別の楽器がしゃんしゃんと鳴り始め、
2人の動きが少し早くなる。

お互いの周りを周りながら、腕を軽やか
に振ったり、脚のつま先を耳にくっつく
くらい高々と上げたり、

黄色い靴のかかとで床をカンカンと響か
せたりして、2人の舞いはいよいよクラ
イマックスに入ってきたらしい。

舞いを見ている誰かは、さらにどんどん
早くなる2人の動きを懸命に目で追って
いるうちに、青と赤の交錯に幻惑されて
いき、

しまいには視界がぐるぐるして、一種の
催眠状態に陥った。
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