ネコ専務シリーズ
ネコ専務は、ネコ大名がこれから織田
信長に返り討ちにあうことや、その後
信長は本能寺で明智光秀に討たれ、秀吉
が天下を取り、朝鮮へ出兵すること、
家康が江戸幕府を開くが、士農工商や
えた・非人の身分制度ががっちり固まっ
た差別社会をつくってしまうことなども
話してしまった。

それらは、自由や平等、平和を尊ぶネコ
大名にとって、きわめて不本意な歴史
展開であった。ネコ大名は言った。

「私はそんな歴史なら絶対に変えたいと
 思うが、もし私が本来の歴史とは違う
 行動をして、歴史が変わったら、未来
 が変わるので、君らはいなくなるの
 ではないか?」

するとネコ専務は答えた。

「大丈夫ですよ。パラレルワールド
 (並行世界)というのができて、お互
 い別々の歴史になりますから。
 ネコ大名、あなたが天下を取るべき
 です。秀吉や家康に任せてしまったら、
 人々は長く後々まで苦しむことになる
 んですよ。
 信長は放っとけば本能寺の変でやられ
 ちゃうんで、今は我慢して待つべき
 です」

ネコ専務は「記憶消去ボタン」を押さ
ないことにした。こうして、ネコ大名は
信長を倒すことをやめて、本能寺の変の
あと秀吉や家康と戦うために、兵を鍛え、
策略を巡らせることになった。

ここから、歴史は大きく変わり始めたの
である!

               つづく
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