ネコ専務シリーズ
そのさらに6年後、ずっと鎖につながれ
たまま、自由で平和な暮らしを取り戻し
ていく猫魚たちの様子を見ていたヒトラ
ーに、ついに改心の光がさした。

ヒトラーは猫魚のリーダーを呼び、言い
にくそうにこう言った。

「どうやらオレが悪かったようだ。許し
 てくれとは言えねえが、せめてもの
 償いのため、猫魚のために何かさせて
 くれないか?」

すると猫魚のリーダーはニッコリ微笑ん
で、

「あなたがそう言うのを、8年間待って
 いましたよ」

と言いながら、ヒトラーの左腕の鎖を
外した。


ヒトラーはそれから3年、黙々と猫魚の
ために働いたので、ついにヒトラーは
許されて、虎魚の村に帰されることに
なった。

それ以来、ヒトラーはプトランに協力し
て、虎魚と猫魚との橋渡しの役目を担い、
凶暴な虎の文化に、穏やかで自由なネコ
の文化を取り入れようとして、日夜がん
ばっているとのことである。

       「長編・猫魚戦争」完!
     
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