Sleeping baby ~眠り姫~


だから…



『ヒカル?オレ達はゆっくり行こう。兄妹愛を育んで来た時のように、夫婦愛もゆっくり育んで行こう。兄ちゃんはヒカルとならそれが出来ると思ってる』



「うん。兄ちゃん…アタシ達ちょっと急ぎ過ぎてたよね?急に兄妹から夫婦になっちゃたから焦ってたんだ。そうだね、ゆっくり行こう。兄ちゃんとならアタシも出来ると思う」



ここまで散々迷って、足掻いて来たけれど、よくよく考えてみれば簡単な事だったのかもしれない。



ゆっくり歩いて行けばきっと答えがいつか出るものなんだ。



兄ちゃんと一緒なら、きっとこれから夫婦として刻む時間はステキなものになるに違いないと思った。



"ゆっくり行こう"



その言葉は2人の混乱していた気持ちをとても落ち着かせていた。



けれど、それも両親の一言によって早速崩されるとは、まだ知らないヒカルと雅明なのであった。



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