Sleeping baby ~眠り姫~
兄ちゃんの顔はアタシの水鉄砲攻撃のせいでビッショビショだ。
ちょっと目が赤くなっちゃってて可哀相な気もする。
でも兄ちゃんだって悪いもの。
兄ちゃんの濡れた髪からポタポタと水滴が落ちる。
その姿が少しだけセクシーに見えた。
「兄ちゃん…ごめん」
とりあえずこの場は謝ってみる。
親しき仲にも礼儀アリだ。
『ヒカル、悪いと思うならこれでおあいこな?』
兄ちゃんはじっとアタシを見つめてそう言うと、濡れた髪をかき上げながら、ゆっくりと近づいて来た。
『ヒカル…』
チュッ。
そっと触れ合う唇。
兄ちゃんとのキスはこれで2度目だった。
だけど、ドキドキと胸の高鳴りを感じながらしたキスは、これが初めてだった。