Sleeping baby ~眠り姫~
兄ちゃん…ちょっと色っぽい。
濡れた髪がセクシーだ。
ヤバイ…のぼせたのかな?
顔が火照りそう。
恥ずかしくて下を向いたアタシのオデコに、もう一度チュッと軽いキスを落とすと、
『ヒカル可愛い…。
可愛いから兄ちゃん違う意味でヤバイ』
ってとんでもない発言をし出した。
「兄ちゃんヒカルは先に上がりますっ!!!」
ヒカルは生まれて初めて貞操の危機を感じた。
いくらなんでも急にそんな先には進めないっ!!
進めっこないっ!!
キスだってまだ2回目なのに!!!
ヒカルは以外と身持ちが固かった。
ザバッと勢いよく湯舟から上がると、逃げるようにお風呂を出るヒカルに、雅明は『ザンネ〜ン』と意味深に呟いた。
兄ちゃんって、以外と軽いんじゃね?
ヒカルは一瞬不安が過ぎったけれど、今日は本当の意味で兄妹より先に進めた気がして、何だか嬉しかった。
未来が明るく見えた気がして何となくスッキリした気持ちだった。