Sleeping baby ~眠り姫~
「父さんと母さんはこれから仕事でパリに行くから、しばらくは新婚生活を楽しみなさい!」
「それと、早く孫の顔を見せてね!」
両親はそう言い残すと、脱兎の如く去って行った。
去り際に「いやぁ母さん新婚さんはいいねぇ〜!僕らももう一人考えちゃおっか?」なんてハシャいでいたのが、たまらなくムカついた。
何でアタシはこの両親でグレずにやって来れたんだろう…。
今更ながら反抗期が来そう!!!
それもスゴイ勢いで!!
「ねぇ!兄ちゃん!!!」
アナタも黙ってないで何とか言いなさいよ!!
『ん〜。でも、まぁ…入籍しちゃったんだから仕方ないんじゃないか?』
兄ちゃん…
諦めが早えぇ!!!
「兄ちゃんはそんなんで納得出来んの!?」
っつーかか色々と考えるべき事は沢山あるんだけどもさ…
『まぁ育てて貰った恩もあるしなぁ〜。それに戸籍が夫婦になっただけで、今までとあんまり変わんないし』
まぁ生活的には今までと変わりない…
アタシ達が兄妹から夫婦になっただけ…