Sleeping baby ~眠り姫~


「兄ちゃん、いや雅明!ソコはどうでもいいのよ、兄ちゃんが…いや雅明がアタシと出会えて結婚出来て嬉しいと言ってくれるのは有り難いけれど、…それって兄妹愛でしょ?…家族愛でしょ?」



どうなんだ兄ちゃんよ!



さっきからニコニコ笑っている雅明は、ヒカルを見たまま何も答えない。



いや、よく見るとニコニコじゃない…



既に忘我の境地…アルカイックスマイルじゃないかっ!!!



そして微笑んで目を細めているんじゃない…



目を瞑っているじゃないか、兄よ!!!



「雅明しっかりして!遠い目をするのは止めて!」



気持ちは分かるから!!!


アタシだって忘我の境地に至りたいわ!


そして今すぐにでも全てを忘れ去りたいわ!!!


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