プラネッツワールド☆〜惑星たちのどたばた茶番劇〜
どんなに説得してもダメだった」
金星が電話の内容を感嘆に説明した。どうやら、大きなショックを受けているようである。
「彼女、頑固につき、かなり気まぐれな性格ですもんね。私、ちょっと苦手かも」
と、水星。その場に沈黙が続く。火星なんて、あからさまに落ち込んでいる。
「どうすんだよ、もしも、何か大きな悩みを抱えていて、そのせいで自殺なんかしたら、俺は、俺は…!!」
「大げさだって、火星。そんなに騒いだら地球に迷惑じゃないか。とりあえず、様子を見てみようよ」
と、金星。彼等は、うなずくことしかできなかった。
「あ、お前ら、太陽には言うなよ。いろいろめんどうだし、もしばれたとしたら、太陽から冥王星まで、説得やら攻撃やらがくだるだろう。そうしたら、木星たちはとばっちりを受けるんだからな」
と、強い語調で木星が言い放った。
「ああ、それは一理ある」
と、またも、全員が大きくうなずいた。
「と、なると、私たちでこれを解決して、彼女にも、いつも通り太陽のバースデーに参加してもらわなくては、ですね」
 それから、幾日かすぎ、太陽のバースデーはこく一刻と迫ってきた。プレゼントも各々準備を進め、太陽系にそんなムードが漂い始めた。
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