【短編】私の執事は彼氏様!?
苦しい……!
もぉ、ダメ……!
私は思い切り突き飛ばす。
「姫? 暴力はダメですよ?」
「う、うるさい!!」
顎に手をおきながらそう言った。
ムカつくかも……!
なんか、嫌!
「怒ってしまわれたのですか?」
「べ、別に……!! 怒ってなんかいないんだから! ホッといて!」
私は窓の方へ歩いていき、窓を開けながらいった。
「怒ってないのですか? それでは、こちらを向いてはくれませんか?」
「はっ? 私に命令しないで!!」
「おぉ、怖いですね」
すごく私に気に障る。
ホントにムカつく!
私の言う事を聞かなきゃダメなんだよ?
ちゃんと、教えてあげたでしょ?
「お嬢様?」
私に触れようと手を延ばして来た。
それを私は振り払う。
「触らないで!!」
「……すみません」
「少し、ワガママ過ぎよ? 私の言う事は絶対、分かってるわよね?」
輝はそっと頷く。
悲しそうな顔で……。
でも、私はそれに気づかない。
「出てって? 部屋から」
私は冷たく言い放った。