【短編】私の執事は彼氏様!?
私は光を突き放した。
「いきなり、なにするのよ!!」
光は目を逸らして言う。
「俺は……ずっと前から、雛乃の事が好きだった。でも、そんな事伝えられない…いや、伝えちゃいけないと思ったんだ。けど……」
「けど、なに?」
「輝は今、雛乃のそばにはいない。なら、別に言ってもいいんじゃないか? そう思ったんだ。俺は雛乃の事が好きだ」
光も、私の事が好きだった……?
で、今も好き。
それで、輝がいないから言える……。
なるほどね。
「光、ごめんなさい。光は親友、と言うよりもお兄様? 以上には思えないの。ホントに、ごめんなさい」
私は静かに謝った。
傷つけてしまったらどうしよう?
そう思ったけど、言うしか無かった。
今の私は輝の事が好きなんだ。
だから…………。
「これからも、私の事妹見たいに可愛がって欲しい……な?」
「フッ…‥仕方ないな。そうするよ。ハッキリ言われてスッキリした」
笑顔でそう言った。
けど、無理して笑っているように見えた。
大丈夫かな?
やっぱり、言わない方が良かったのかな?
やめといた方が……?
私の頭にそんな事が渦巻いていた。
「光、ごめんね」
「なんで、謝るの?」
「だって…………」
「大丈夫だから。じゃあ、しっかりやすめ」
そう言って部屋をでていった。