【短編】私の執事は彼氏様!?


それから、何時間ぐらい走っただろうか……。
やっと、ついたようだ。


「ここ」


私はインターホンを押した。


『誰ですか?』


久しぶりに輝の声を聞いた瞬間だった。


ここに、輝がいる!!


「輝、私よ!」
『…………』


言葉がかえって来ない。


扉もあかない。


「ねぇ、輝……顔を、見せ、てよぉ……おね、がい……」


泣かないって決めてたのに……
涙が止まらない。


「て、る……」


"ガチャッ"


鍵があいて、扉が開く。


「輝!!!!」


私は輝に抱きついた。


「雛乃…………」


輝は少し戸惑っているようだった。


「輝、あの……言い過ぎてごめんなさい。もぅ、あんな事言わない。だから、私の側にずっといて?」


輝の顔に驚きが現れた。

< 30 / 34 >

この作品をシェア

pagetop