【短編】私の執事は彼氏様!?
それから、何時間ぐらい走っただろうか……。
やっと、ついたようだ。
「ここ」
私はインターホンを押した。
『誰ですか?』
久しぶりに輝の声を聞いた瞬間だった。
ここに、輝がいる!!
「輝、私よ!」
『…………』
言葉がかえって来ない。
扉もあかない。
「ねぇ、輝……顔を、見せ、てよぉ……おね、がい……」
泣かないって決めてたのに……
涙が止まらない。
「て、る……」
"ガチャッ"
鍵があいて、扉が開く。
「輝!!!!」
私は輝に抱きついた。
「雛乃…………」
輝は少し戸惑っているようだった。
「輝、あの……言い過ぎてごめんなさい。もぅ、あんな事言わない。だから、私の側にずっといて?」
輝の顔に驚きが現れた。