【短編】私の執事は彼氏様!?
「お嬢様、早くしてください!」
輝が口を挟む。
「もぉ! さっきから、うるさい!!」
「仕方ないでしょ。学校に遅刻してしまいそうなんですから」
「別に、いいも~ん!」
「ダメです。お嬢様がよくても、僕が嫌です」
別に、学校なんていいのにね。
輝は、私の一つ上の学年。
しかもね、学園の王子様とも呼ばれてるんだって!
なんで、輝がそんな風に呼ばれてるのか私には理解不能。
だって、別に目立つ様なキャラじゃないじゃない?
ハッキリ言って、存在感無さそ~ってキャラじゃないじゃない?
だから、なんで学園の王子様って呼ばれてるかわかんない。
まぁ、そんなのどうでもいいんだけどね~。
ずっと、そばにいてくれるんなら、それでね……。
「ごちそうさま」
私はご飯を食べをえて、外に出た。
もちろん、輝と一緒に……。
学園には、車で行く時と、歩いて行く時があるんだけどね?
今日は車まだよ?
だって、遅刻しそうだからね!
車に乗り込むと、輝がため息をつく。
「そんなに大変なら、出て行けば?」
「何をおっしゃるんですか?! 大変なんかじゃありません」
「そぅ。なら、ため息なんてつかないで。空気が重くなる」
「わかりました……」
本当に、わかってるのかしら?
わからないわ……。
まぁ、いっか……。
「そういえば、お嬢様? 今日、お嬢様の教室に行ってもよろしいでしょうか?」
「別に。でも、なんで?」
「お嬢様のご友人を拝見したいので。あと、僕の友人も紹介したいのです」
「まぁ、いいわ」
なんで、そんな事する必要があるのか、さっぱりだけど……。
どうせ、暇してるんだもの……。
まぁ、いいでしょ。
そんな事を考えながら車に乗っていた。