【短編】私の執事は彼氏様!?
「ふん! バカじゃない? 執事はただの……」
『『『ただの?!』』』
「…………何でも、ない……」
私は答えずにそっぽを向いた。
だって、恥ずかしいじゃない?
なんていえばいいのかも、わかんなくなっちゃったし……。
でも、私にとって、執事……輝はどんな存在なんだろ?
ただ、大切な人って訳じゃない気がする……。
でも、わかんない……。
「お嬢様? どうかしましたか?」
「別に……」
「そうですか。では、戻りますね。また帰りに」
「えぇ」
それだけ言って、教室に戻った。
授業が始まって、でも考え事をして結局、今日は学校に来た意味が無かった。
「お嬢様?」
そして、今は屋敷の自室にてティータイム。
「どうもしてない」
「でも、さっきから何か考えてるようでしたけど?」
「そんな事ないわ」
「そうですかね?」
「そうなのよ」
「では、一つ質問してもよろしいですか?」
「? 別にいいけど?」
何が、聞きたいのかしら?
「お嬢様にとって、僕はどんな存在なんですか?」
…………。
今、悩んでる事……。
考えてた事を……。
今、私に聞いた……。
「…………なぃ……」
「えっ? 聞こえないです」
「……わからないの……!」
私の目から涙が零れ出した。