あの日の君と今の僕。
次の日から俺は渡辺美咲ばかり見てしまう
出来るだけ秀明にはバレないように
渡辺美咲が気になり始めてから
3日目の朝、秀明がとんでもないことを俺に言ってきた
『俺さ美咲ちゃんにアドレス聞いてくる!』
「えっ?今日?」
『今日、放課後聞こうかな?って。俺1人じゃ心細いし湊も一緒に来てくんね?』
秀明が俺に頼んできたんだ。
迷ったけど親友が必死に頼んでるし
俺の渡辺美咲への気持ちは
別にそこまでじゃないって思った…
いや、自分にそう思わせた。
「秀がそんなに言うなら俺は言いけど」
精一杯、興味なさそうに答え
教室に入って行った
秀明は渡辺美咲に最近よく話しかけたり
頑張っていたから放課後
教室で待っててくれると約束をしてくれた
秀明は嬉しそうに俺の元に来て
Vサインなんてしてきやがった。
あれ?
やっぱり心が痛かった。
放課後になり俺と秀明は
教室で渡辺美咲を待っていた。
すると他のクラスの子を連れてきて
こう言ったのだ
『この子、戸田華恋(トダ カレン)って言って私の大親友なの!それで尾田君と友達になりたいって言ってて華恋ともアドレス交換してあげてくれない?』
『全然、いいよ~』
そう言って俺なんか要らないみたいに
3人でアドレス交換してたら渡辺美咲が
『あっ!一応、岡田君のアドレスも教えてよ』
『私も私も~』
女子2人が言ってきた。
俺は渡辺美咲に聞かれたことが
正直、嬉しかった。
「一応って…まあ、いいよ」
とりあえず2人とアドレスを交換して
少し教室で話してから4人で帰宅した
帰り道、秀明と俺だけになった時
『なあ、華恋ちゃんお前に合ってんじゃね?顔も可愛いし性格も優しそうだし』
「確かに、可愛かったな!」
『じゃあ、俺が美咲ちゃんと付き合って湊が華恋ちゃんと付き合ったらWデート出来るなっ』
「そうだな」
これが俺の精一杯の答えだった
このまま俺は渡辺美咲への
気持ちは隠して生きて行くことに決めた。