猫の気まぐれ
ポカンとした表情の春樹。
…ぐっと唇を噛み、なにかに耐える。
「…妹だけど?」
「――――…は!?」
「えっ?」
「い、妹いたの!?」
「おぉ…。可愛いだろ?」
「うん。あの娘の名前は!?」
「は!?」
「――――…輝…」
低い声で輝を止める。
「龍…」
「龍魔…。なに、なにがどうなってんの?」
その春樹の質問に輝が早口で答える。
…それと同時に青ざめていく春樹の顔。
「は…?」
「…春?」
「――――…い…」
「あ?」
「危ない…!」
「えっ?」
「早く、あいつを捕まえろ!」
「あ?」