猫の気まぐれ
「ありえない…」
思わず呟くと、後ろから爆音が聞こえてきた。
でも、私にはそんなこと気にしてる場合じゃねぇ!
呆然としながら校舎を見上げると、視線を感じた。
…?
「…誰!?」
今一瞬、視界が黄色で染まったんですけど!?
「…は、はい?」
「…だから、誰!?」
――――…いやいや。
ちょっと待て…?
これはそもそも、私に話しかけて来たのか…?
…うん…。
違う。
誰か私の近くに誰かいるんだよ。
そう思い、キョロキョロと視線を動かす。
「君だよ! 可愛いね?」
「………」
「…えっ? シカト?」
「………」
「…初めての経験だよ…。女の子からのシカトだなんて…」