近くて遠い距離
紅茶専門の可愛いお店。
まるで童話の世界に迷い込んだような錯覚を起こしそうになった。

「このお店、前から入りたかったんだ。
充琉とだとちょっと入り難いでしょ?」

そう言って優しく笑う深紅さん。
ホント、充琉さんが好きなんだなぁ。
幸せオーラがいっぱい出てる。
少しお裾分けして欲しい。

ポットで運ばれた紅茶を少し蒸らしてカップに注ぐ。
ちょっと贅沢で幸せな時間。

「ねぇ、奈央ちゃん。
何か悩み事でもあるんじゃない?」

え…?
深紅さん、スルドイ…かも。
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