近くて遠い距離
「正直、うんざりしてるんだ。
俺がフリーだからって、言い寄って来るコが結構いる。
そんなの相手にしてる暇があったら、ギターの練習してる方がマシ。
だから、奈央ちゃんが彼女のフリをしてくれたら、俺はすんげー助かる。
でも、これは俺の一方的なお願いだから、奈央ちゃんに無理強いは出来ない」

「フリ・・・なんだよね?」

「そう、恋人のフリ。
付き合いは今までと全く変わらない。
今回みたいに、俺抜きで姉貴と遊んでくれても全然構わないし。
ただ、人前では付き合ってるって事で。
二人だけの秘密。って云うか契約?
奈央ちゃんがこの関係に飽きたらお終い。
もしくは、どちらかに好きな人が出来たら・・・」

「お終い・・・なの?」

「そう、オシマイ!」

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