近くて遠い距離
ふと隣りの棚に並べられた携帯用ストラップが目に入った。

「ねぇ、このストラップ、すごくシンプルでカッコ良くない?」

「そうだな」

「これなら、お揃いでもいいんじゃない?
色も黒だし、落ち着いててステキだよ?」

「俺が付けてて可笑しくないか?」

「可笑しいどころか似合うよ、絶対!
あ、こっちのはそれにイニシャルが入ってる!
どうせなら、こっちの方がいいよ!」

「そうか?」

「そうだよ!
彩の『A』と龍ちゃんの『R』!
これにしなよ!絶対に彩、喜ぶと思うよ?
どうせなら、龍ちゃんが『A』を持って、彩が『R』を持つの!
それってオシャレだよ、絶対!!」

「そう・・・なのか?」

「うん!!」
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